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■新車両〜旅客サ−ビスの飛躍〜
 定山渓への行楽客も毎年増加したため、昭和27年6月12日に旅客サービスの飛躍を目指し、転換式クロス・シート(ロマンスシート)のモロ1100形半鋼製2軸ボギー2等電動客車、及びクロ1110形半鋼製2軸ボギー2等制御客車の2両の購入をした。この設備は2等客車に匹敵するほど良く、札幌陸運局より2等客車にするよう指示が出され、私鉄としては珍しく青帯に〔II〕の表示をつけた2等客車が誕生した。この2両は豊平と定山渓の間を40分で結ぶ、急行電車に連結され、下りには“むいね”と“もみじ”、上りには“しらかば”と“みどり”という愛称をつけられ、同時に全車両に放送設備を整え車内案内を始めた。しかし、2等客車は運賃が倍額であり、区間が短いこともあり利用客は少なく、昭和29年3月には座席料50円で急行に連結した座席指定車に格下げとなった。
 開業以来、定山渓鉄道は雪かき車を所有していなかった。必要な時に国有鉄道のラッセル式雪かき車を借り運転していたが、積雪時の列車の運転を確保するため昭和23年9月に国有鉄道からキ1型木製2軸ボギーラッセル式雪かき車を購入、さらに昭和27年9月に再び国有鉄道から同型車を購入し、鋼体化して使用した。

■社屋新築及び増車〜設備増強〜
 豊平駅の改築にともない本社社屋を新築(現社屋)し、昭和28年7月7日完成とともにに移転、豊平駅が定山渓鉄道のターミナルステーションとなった。当時の列車の運転は旅客列車が苗穂及び東札幌並びに豊平から定山渓の間、急行2往復、準急5往復、普通10往復、臨時1往復で、貨物列車は東札幌から定山渓の間定期1往復、臨時1.5往復であった。その他にオンコノ沢と選鉱所の間1〜2往復、東札幌とキャンプ・クロフォードの間2往復であった。


 その後さらに電車の増備が行なわれることから、従来の変電所(開業当時からの藤ノ沢に設置した回転変流機300kW3基による直流1500V)では容量が不足するため、昭和28年11月に北茨城に変電所を新設し、1,000kWの風冷イグナイトロン整流器が設置された。その結果、昭和29年にはモハ1200形鋼製2軸ボギー3等電動客車と、クハ1210形鋼製2軸ボギー3等制御客車の2両を購入した。この電車は前面2枚窓のスマートなスタイルであった。その後も次々と電車の増備がされ、更新や改造が繰り返された。
 キャンプ・クロフォードに駐留していたアメリカ軍が、昭和31年に返還したため専用側線は撤収された。 一方、昭和30年7月15日より札幌駅から洞爺湖温泉の間110kmの自動車による運送を始めた。


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